うろうろ雑感ノート

文章創作に挑戦する一個人のブログです。 日々の生活の中で気になること、思うこと、 そして自他の作品に関する考察を中心に、日記形式で書いてゆきます。

投稿しましたので


 先日、 「二次創作オリキャラ同盟」という同盟に参加表明を
させていただきました(詳細はリンク先にてどうぞ)。

 また、上記同盟で期間限定企画として「お祝い」をテーマとした
作品募集をされてましたので、こちらにも参加させていただきました。

 ――『“力”の扉』より短編 「星の降るよな夜に」。今回は
ヒロインの一人称視点という、本編とは「逆」をゆく語り口を試みて
おります。

 ただし、「マヤの誕生日」という本編ではだいぶ先の時間軸に
位置するお話のため、地名・人名等にいくらかネタバレがございます。
これから進む物語をお読みになる上で興をそぐほどではない……とは
思いますが、その点はどうかご了承いただいてお読みくださいませ。

 ではでは、「続き」からどうぞ。

 
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無許可ですが(汗々)


 以前いただいた土成さん(テシマ☆ハジメ)のコメントのネタより
拝借して、土成さんとこのカルド2主人公キャラ「カフ」くんの小話を
試みに書かせていただきました〜〜(カフくん好きなんですよ私。
あと、あまりにも“いいネタ”だったものでウズウズが止まらず……)


 とか言ってすいません、実はまだ無許可なんですが(汗
 メールうまく届いてないみたいで……とりあえず先にこちらに
上げさせていただきました(平伏)。


 他所さまの主人公キャラ……ドキドキ。
あと何気に「セレナ」が初書きだったり。

【“無許可ですが(汗々)”の続きを読む】

「独白 番外編」


 ――あの娘(こ)のことは知ってるの。
前によその世界をちょっとだけ覗いた時に、チラッと
見かけたから。


 細い、小さい、眉も口角も下がりがちの、私とそんなに
変わらない歳のはずなのに、いやに「使い古された」ような
くたびれて縮かんだ感じの、

 そんな娘、よく憶えてる。


 おどおど震える瞳の底の方から、“声”が聞こえたの。

 『お前なんて、お前らなんて――』

 ううん、言葉じゃない、禍々しい“何か”。強烈な呪いみたいな。
飼っているのか生じてしまったのかはわからないけれど。


 私は、自分の生身の姿はもう知ってる。でも、

 あの娘があの娘自身の“それ”を知ってしまったら……
耐えられるかしら。



 教えてあげたい。

 「世界があなたを見放しているんじゃない、
  むしろ、あなたの方から世界を見限ってしまっているの」


 もしも今、私の手にカルドセプトがあったなら、

 私はあなたを赤ちゃんに戻して、抱っこしてほっぺにキスして
「大事なかわいいあなた!」と言ってあげられるのに。


 世界は残酷なの。美しくて慈悲深いけれども、残酷。

 カードが創ったものだから、カードと同じなのよ。

雪の宿

 
 ※この作品は、私のサイト・黒猫館の連載読み物に
寄せていただいたイラストをもとに書いた一編です。



 『雪の宿』

 「ああ……人のお家がある……」
 膝まで埋まる雪の山道をようよう越えて、セプターの
師弟は山懐(やまふところ)にたたずむ小さな村の入り口
まで降りてきた。

 中年男の師匠は旅慣れているだけに息をはずませることも
なく、しごく平然と雪を踏んでいる。しかし17歳の、しかも
少女である彼の弟子は人家を見てホッと安堵の息をついた。

 だいぶ疲れているようだ、少女の足取りは重い。汗をぬぐい
師が漕いでくれた雪道を、少しふらつきながら一歩一歩、
踏みしめる。

 『まぁ、ここまで泣き言も吐かずによく歩いた』

 師匠――ゼネスは弟子――マヤをチラリを眼の端で振り
返ると、村に至る細道の雪の中をなおも黙々と進んだ。


 「おやまぁ、こんな雪の中をお出でとはありがたいことで」

 村に一軒だけあった宿に上がりこむと、宿の者は二人を
いたく歓待してくれた。
 聞けば、この辺りは雪が深いため初冬から晩春までは山の
街道もほとんど人通りが絶えてしまう。この宿がにぎわう
のはもっぱら、雪が消えた初夏から秋までなのだそうな。

 「それでも、ウチは山から引いた温泉が自慢ですよって、
 お客さんもぜひお湯へ入ってってくださいましな」

 極上の笑顔で、女将は入湯を奨めてくれた。



 ザザァーー

 「ふぅ〜〜〜っ……」

 たっぷり湯を張った湯船の中に体を肩まで沈め、ゼネスは
深い息をついた。浴槽はなかなかに広く、彼の手足を伸ばしても
十分にくつろげる。 

 雪の山道を越えて冷えた身体に、熱さが沁みた。かすかな
硫黄臭と“湯の花”も温泉らしい情趣だ。
 しばらくは目を閉じて、ただ陶然として湯に浸っていた


 体がすっかり温まると、ゼネスは湯船を出て流しに座った。
この宿の浴室は浴槽も床も、全てが木で作られている。
湯を汲み上げる小桶や盥(たらい)も木で、これが床に当たると
「カコ〜ン」
 心地よい音が響く。こんな風呂に入るのは初めてだ。
もの珍しさに浴室の中を眺め回していると――

 「カララ……」

 後ろの戸が開く音とともに

 「ゼネス、背中流すね」

 弟子の声がした。

 「……お、おまえ!」

 首だけ振り返ったまま、ゼネスは固まった。ここで
彼女が出て来るとは、想像だにしていない。
 今彼を守る“盾”といったら腰に巻いた一枚の手ぬぐい
ばかり。うっかり勢い良く立ち上がったりしようものなら、
はらりと結び目が解けて落ちてしまうかも知れない。

 「な……何しに来た……」

 「え?背中流しに、だけど?」

 少女(とはいえ、旅する便宜のために男装をしているが)は
首をかしげて彼を見た。腕も足も、肘と膝まできっちりまくり
上げた「三助スタイル」である。
 ふっくらとうすい肉が付いた腕と脛が丸見えだ、いずれも
つややかに張った生白い肌に若さがうかがえる。

 進退きわまり、ゼネスは小さな椅子の上で呆然とした。

 「弟子が先生の背中流すのなんて、当り前でしょ?」

 言って、マヤはさっさと師の背中に近づき、しゃがみ込むと
持参の手ぬぐいを小桶の湯にひたし、固く絞った。

 ゼネスの肩に「手」が添えられた、やわらかくて小さな。
そして……手ぬぐいが背中をこすり始めた。

 ゴシ、ゴシ、ゴシ、ゴシ――

 「ゼネスってさ、叩けばホコリ出るしこすれば垢出るしで
 ぜ〜んぜん“神さま”っぽくないね」

 熱心な手ぬぐいの動きの合い間に、減らず口を効く。
肩に置かれた手の、指の腹の感触がくすぐったくて「熱い」。

 ――どうにも、落ち着かない。

 「うるさい、俺はどうせ“亜神”だ」

 つぶやいた声は、小さかった。

 「……背中、痛くない?」

 弟子はこする調子が強すぎないかと尋ねてきた。が、

 「……それでいい」

 師は言葉少なに答えた。背中で、少女の吐く息が次第に
せわしくなる。やわやわと湯気とも吐息ともつかないぬくもりが
忍び寄ってくる。

 ――いつまでこうしていてくれるだろうか?――

 そう思った途端、ザザッと背中に湯を掛けられた。

 「はい、おしまい。きれいになったなった」

 満足そうに言って、立ち上がる気配がした。

 「…………」

 何と答えたものか、皆目見当もつかない。

 「ね、これから私も一緒にお風呂入っていい?」

 えらく明るい声が降ってくる。ゼネスは慌てて振り向き、
怒鳴った。

 「バカ!何を言い出すんだお前は……」
 
 しかし、少女はすでに戸を開けようと扉に手をかけている。

 「冗談に決まってるじゃん、顔真っ赤だよゼネス。
 ヘンな期待しないでよね〜」

 笑いながら出て行ってしまった。


 浴室は再び静かになった。


 背中の他をぽつねんと一人で洗い上げ、ゼネスはもう一度
湯船につかった。

 『ふ〜〜〜っ……』

 肩や背のくすぐったいようなむず痒いような感覚が、まだ
彼の中でひそひそとうずいている。困った、それでいて
いつまでも続いて欲しかった気もするひと時。

 「冗談、だよな」

 なんとはなし風呂から上がってしまうことが惜しく、彼は
もうもうと湯気をあげる湯の中でさらにしばらく“待って”いた。


 もう少しで、湯あたりしそうになるまで。


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ある覇者の願い


 『ある覇者の願い』


 ようやく、君に逢えた。

 ここに至るまでにどれだけの時を必要としただろう、
今のわたしの感覚をもってしても、もう確かに数えることは
できない。

 けれども、わたしは君に逢うことができた。

 生まれ、育ち、当たり前の日々を過ごしてゆく君を、
この世界に偏在するわたしが見ている。

 見続けている。


 わたしは、同じ“はじまり”を願った。
 君が再び生まれ出るまで、全てが違(たが)わぬ世界で
あるように――そう、望んだ。

 長い長い刻(とき)を待った、ひたすら待ち続けた。
「存在」を脱しなければ耐え得ない、悠久を、久遠をただに待った。

 待っていた。そうして、ついに君が現われた。

 かつてわたしが知っていた、同じ君が。


 君はやはり生まれながらの負担を持ち、
しかし周囲の人々からは温かく愛されて、すこやかに
成長してゆく。
 めぐりめぐる陽と月、その光が交互に君を照らす。


 赤子から幼児に、幼児から少女に、さらに思春期の少女へと。
背丈伸び髪やわらかにもうるわしく、君はいつしか初めて
わたしが出会った頃の君へと変貌している。


 だが、
 この世界で君と出会うのはわたしではない。
 君の傍には今、別の男が立ってやさしくその肩を抱いている。
 全てが同じ世界のたった一つの例外、
 わたしだけが、元から“ここ”には居ない。

 ――多くの罪を犯した果てに“覇者”となったわたしは、
再び人として君と逢うべきではない――

 君の魂とカルドセプトの盟約とを汚さぬために、自ら決めた。
わたしは見守るだけでいい、それ以上は望まぬ、と。


 ああ、わたしではない者と出会い、愛し合う君は、
それゆえにこそかつてとは“別の”運命を歩んでゆく。
 理不尽な死に追いやられることなく、子を産み、育て、
ささやかな、だからこそ得がたい幸せの中で少しずつ歳を
重ね、次第に老いてゆく。

 わたしは見る、大勢の孫に囲まれて笑う、皺を刻んだ
媼(おうな)の顔を。
 共に老いて、さらに仲睦まじい君とその伴侶の、ひたと
握り合わされた手と手を。

 やがて君は惜しまれつつ息をひきとり、丁重に送られ、
葬られてその身は土に還る。
 わたしは静かに事実を受け入れ、そしてようやく真の「神」となる。
 「神」であることの意味を知る。


 わたしの息は風と吹き、情が動けば水に波寄る。
燃ゆる思いの火を抱いて、身体たる地に万物を生ぜしめる。


 愛している、君を。
 愛している、君を生み育んだ世界を、
 その全てを。

 君がこの世界からいなくなってもずっと、
 ずっと、永遠に揺らぐことなく。


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